長野県 浅間温泉 貴祥庵に行ってきました。
ここはJTB90点以上の宿で見つけて、建物の造りが良さそうだったので行ってみたくなった宿です。予約をするのにオフィシャルページに行って知ったのですが、建物の設計は仙寿庵や四季彩一力も手がけた羽深隆雄氏が設計した、いわゆるデザイナーズ旅館でした。
僕が泊まったのは露天風呂が付いていない一般客室(バス付き客室)なので、料金は26400円でした。

宿には13:40頃に到着。
少し早く着きすぎたとどうしようか考え、とりあえず外観の写真でも撮るかなと思ったら、車のドアを開けた瞬間に中から男性従業員が1人出てきました。敷地内に入ってから5分くらい経ってたのに、ドアを開けた瞬間に出てくるなんて凄いタイミング。それで、その男性従業員に荷物を少し持ってもらって、快く中に入れてもらえました。
この男性従業員は世間話もしてきて、感じのいい従業員でした。


入り口の扉を抜けるとエントランスになりますが、ここからは別世界。エントランスはオフィシャルページの写真で見るよりも、良かったです。そして館内に入り少し歩くとロビーになるわけですが、このロビーがまた凄い。外観の写真の丸っこい建物全てがロビーになっていますが、上まで吹き抜けです。
仙寿庵の建物も凄かったんですが、ここも負けず劣らず良かったです。
羽深隆雄氏の設計した建物は自分はかなり好きですね。

ロビーの椅子付近に光庭があって、小さい滝を見ながらおしぼり、抹茶と落雁をいただきます。
宿帳記入もこの椅子に座りながら、書きました。飲み終わって少し経つと、部屋への案内となります

案内係の方は40前後の女性でした。従業員は若いのと中年と半々くらいです。
部屋へ行くまでの通路は広く、バリアフリーになっています。途中食事処がありましたが、この食事処の入り口は仙寿庵そっくりでした。
エレベーター前に付くと、そこで大浴場の説明を受けます。

部屋は3階の部屋で、部屋へ向かう通路は扉があったり、ジグザグの構造で周りが気にならないような造りです。
またガラスの所は上から下まで吹き抜けになっていました。

部屋に着くと、またお茶を煎れてくれます。お茶請けは塩羊羹。
この女性も世間話をするし、感じは良かったです。
係の方は他に、浴衣のサイズ合わせ、通常は低い枕なので高い枕に変えられること、夕・朝の食事の時間と夕食の食前酒3種の中から決めたりしました。

部屋
部屋の広さは、12.5畳+1畳の書斎?+3畳分くらいの広縁+2.5畳位の踏み込み。
全部繋がっているのもありますが、かなり広く感じました。



蝶々の形をくりぬいてあったり、
こだわりもあります。

トイレはシャワートイレ。ハンドタオルが8枚置いてありました。
冷蔵庫は飲み物が入っていたけど、フリースペースもありました。
アメニティーは普通です。
眺望はそんなには良くないと思います。
花は1カ所飾られています。
掃除はどこも行き届いていて綺麗、防音も完璧で全然気になりませんでした。部屋は仙寿庵ほどの凄さは無いものの、今までに泊まった宿の中でも良い方です

風呂。
風呂は夜中の0時から1時に男女交替をします。
大浴場は2つあり、それぞれ祥雲、貴天と言います。脱衣所は祥雲が下が畳、貴天は板です。
脱衣所には暗証番号を登録するタイプのロッカーもあります。

ドレッサーは仙寿庵にそっくりで、センサーで電気が点きます。
それぞれに麦茶が置かれ、タオル、バスタオルが常備されています。風呂に3回入りに行った内、2回従業員を脱衣所で見かけましたので、こまめにチェックや掃除をするみたいです。

湯船の種類は、祥雲が7種類、貴天が6種類の計13種類です。でも同じ物が2種類あるので、実際は11種類です。詳しくはオフィシャルページを見て下さい。





大浴場は種類も多く造りもいいので、風呂だけなら仙寿庵よりも上です。
唯一残念だったのが、祥雲の露天風呂。お湯が出る所を見ると、配管が3本丸見えなんですよね。
こういうのは見えない方がいいと思いますが・・
お湯の質は無色透明で、お湯が柔らかく、修善寺の泉質に似てるかもしれません。少しすべすべになるような気がしましたが、お湯は循環形式です。温度はどこも適温でした。
カランは祥雲も貴天も7個くらい有り、衝立があってスペースも広めです。

料理
ここは個室の食事処で食べる懐石料理です。1階と2階があって、僕は2階でした。食事処は1階も2階も、ロビーで見た光庭を囲むように作られています。味は特別どれがっていう物はありませんが、全体的にかなりおいしかったと思います。

食前酒(3種類の中から選びます。
フルーツの味が強く、
酒が嫌いな自分でもおいしく飲めました。)

アスパラ豆腐、巻海老、キャビア、山葵、美味出し

白だつ胡麻餡掛け
鱚新茶干し
白瓜松前押し
玉子焼
青梅ゼリー 信州桜


お椀
鱧吉野打ち、管牛蒡、蓴采、冬瓜 梅肉

めじ鮪
活鰈
煽り烏賊
妻色々

五穀米
鰻照り焼
木の芽

鮎塩焼き 
新丸十レモン煮
谷中生姜
蓼酢
鮎は小ぶりの物を使い、身がかなり柔らかかったです。
これ以外に信州牛鉄板焼きが選べます。

左はトウの(魚辺に東)の煮物
茄子、石川芋、陸蓮根

右は酢の物
蛸湯引、新蓮根、茗荷子、アスパラ
生姜酢


手打蕎麦(希望で白い御飯も付きます)
このそばは下手なそば屋よりおいしいと思います。
(この時におしぼりとお茶も出ます)

杏シャーベット
デザートは
@西瓜、メロン、巨峰
A杏仁豆腐、クコの実
B葛切り、黒蜜
Cチーズケーキ 
いずれか1品選べます。

焼き物は鮎か信州牛、デザートは5種類の中から選べて、これも嬉しい所。好みもあるのですが、かわせみも仙寿庵もデザートはそれほどおいしくなかったので。
あとかわせみと仙寿庵の濃い味噌汁も個人的には好きではありません。関係ないけど、ついでに書きました。
残念なのは量が少し少ないことと、食事の説明が何も無かったことですね。
ただ、係は20台前半くらいの子でやはり感じは良かったです。食事のタイミングは少しゆったりと運ばれてきます。量はあまり多くないので、食べる人には少し物足りないと思います。

部屋に戻ると冷水と夜食が置いてありました。夜食は、梅干しとおにぎりでした。
おにぎりはたぶん餅米で出来てたみたいです。

他に就寝用の浴衣も置いてありました。
布団は何も言わなければ、チェックアウト後まで片付けません。
朝、信濃毎日新聞が入り口に置いてありました。

朝食は、和食か洋食かを選べます。
自分は和食にしましたが、種類が豊富でした。
ただ夜も若干感じたんですが、手の込んだ料理があまりありません。
味もおいしいとまでは行かず、仙寿庵同様朝食が欠点ですね。



チェックアウト時はまた別の男性従業員がつきました。自分と同年代だったんですが、かなり感じが良かったです。以前は塩原温泉にいたそうですが、地元に戻ってきたとか。
帰り際、車が見えなくなるまで手を振ってもらいました。

感想
一言で言うと、仙寿庵の露天風呂が無いバージョンって言った所です。(露天付きもありますが)
あちこち似てる所が多かったし。
ここは05年の90点以上の宿だと風呂とサービスが特に優れているになっています。
確かに大浴場は良かったし、従業員も感じのいい方が多かったです。
チェックアウト時の彼はいい奴だったし、フロントの応対は今までで泊まった中で一番良かったです。でも料理にはもうひとがんばりしてもらいたい。
コストパフォーマンスは26400なので普通です。24300の時なら少し良くて、30600の時なら割高です。ちなみに露天風呂付客室にしても料理は変わらないそうなので、一般客室の方が
お勧めです。大浴場がかなりいいですしね。
ここには年内にもう1度行ってみるかもしれません。

管理人のポルポさんに点数があった方がいいと言われたので、点数も書きます。(全部は無理なので部分的に)また3件の宿の比較で、比べるのは稲取銀水荘、貴祥庵、阿しか里で、一番良い所が100点で基準にしてます。料金は銀水荘が2年位前なのでうろ覚えだけど26000強、貴祥庵が26400、阿しか里が28000です。

         銀水荘    貴祥庵 阿しか里
部屋       85    100     90 
夕食      100    100     90
朝食       95     85    100
大浴場      85    100     80
サービス    100     95     85
接客      100    100     85
景色      100     90     95
アメニティ    90    100     85

コストパフォーマンスは銀水荘も貴祥庵も普通なのでこんな感じです。阿しか里は割高な湯河原にあるので多少は仕方ないのかもしれません。銀水荘と貴祥庵の接客はタイプは違うけど、全国でもトップクラスのはずです。貴祥庵は分かりませんが、銀水荘の女将はしっかりしてたし、やっぱり女将がしっかりしている宿は従業員も感じのいい人が多いです。