岳温泉 扇や(再訪)
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福島県二本松市岳温泉1-3
TEL:0243-242001/FAX:0243-24-2004

福島県 岳温泉 あだたらの宿扇やに行ってきました。
1年ほど前に泊まって、コスパがめちゃくちゃよかったので、菊人形を見るついでに再訪しました。
菊人形は10/1からで、扇やのプランに10/3までなら26,400円の部屋が半額で泊まれるプランがあったので、
そのお得なプランで泊まろうかと思って電話で予約。
予約は取れそうだったのですが、よくよく話を聞いてみると菊人形の見頃は10月中旬からと言うことで、やめました。
その時の電話は声が30前後くらいの女性でしたが、非常に感じが良かったです。
で、2回目は普通のプランで前と同じく一番安い部屋を電話で予約。
今度は50前後くらいの男性が出て、まず泊まる日に部屋が空いてるか質問。
「少々お待ち下さい」と、待つこと10数秒。
ネットの空室情報で空いてるのは知ってましたが、空いているとの事で予約開始。
すると、以前にもお泊まりになったことがありますよね?と。
少ししか待ってないのによく分かったなぁと驚いていたら、会話していく内に、
前回は12,750円でお泊まりになりましたが、今回は繁忙期で15,900円になってしまいますがよろしいですか?と。
前回泊まった値段まで分かってるので、さらにびっくり。
で、前回の部屋と同じでって言ったら、前回の部屋は覚えてらっしゃいますか?とか聞かれたけど、さすがに覚えて無いので覚えてないと答えたら、何となく前回泊まった部屋を言うか言わないか迷ってたようなので、ひょっとしたら向こうは分かってたのかも^^;
この男性も感じは良かったし、ほとんど待たずに前回の情報を詳しく分かるなんて凄いなぁと思いました。
(中には気持ち悪がる人もいるかもしれませんが^^;)
普通は10〜30秒くらい待って、空いてるか空いていないかが分かるだけだと思います。
10秒以下で空いてますと答えるのなら、そんなにすぐに答えられると人気が無さそうで心配になる人もいるかもしれないので、その境が10秒でしょう。
もし待たせもせずに空いてますと答える宿は、いかにも気が利かなそうなのでやめた方が良いかも。

宿には15:00頃に到着。(イン15:00 アウト11:00)
前回はイン15:00 アウト10:00と書いているので、それは間違いです。
中から50代の男性従業員が出てきて、荷物を少し持ってもらって中へ。
前回は荷物を持とうとはしなかったのですが、今回は係の方から言ってきました。
中に入ると係の方(案内から見送りまで担当)が来るまで椅子でしばし休憩、宿帳記入はありませんでした。
係の方は前回と同じ方。フロントにも別の女性がいましたが、どちらもかなり感じが良いです。


■部屋 95点
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広さは10畳+同じくらいの広さのリビング。

前回と同じタイプの部屋で入ってすぐにリビング、奥が主室です。
部屋は前の部屋よりも3,150円高い、リビング付の部屋にアップグレードしてくれました。
トイレはウオシュレット。








バスもありますが、万葉亭同様入る気はしませんでした。





リビングの椅子の奥にある家具はベッドになります。(これがウォールベッド)

アメニティは、普通かな。
T字のひげ剃り、クシ、手を拭く紙などがありました。
昔は手を拭く紙があった方が良いと思ったけど、最近では紙よりハンドタオルの方を置いてもらいたいと思うようになった。
まあ紙の方がコストはかからないでしょうが・・
前回T字のひげ剃りは無かったのですが、今回は置いてありました。





冷蔵庫は2つあり、1つは最初から飲み物が入っていて、
もう一つは空の冷蔵庫で好きな物をどうぞと。
前回のレポを見ると冷蔵庫が1つだけで、中に持ち込み厳禁のような紙があったみたいですが、今回は持ち込み大歓迎みたいな感じでした。
これなら前の部屋に泊まったとしても、持ち込み厳禁という紙は無いのではないでしょうか。


眺めは前回宿泊の部屋より2つずれているだけなので、ほとんど変わりません。

花というか飾りは2カ所。
盆栽のようなものとテーブルの花です。
テーブルの花は係の方の気遣いのようです。
またここは部屋の入り口にある部屋の名前の場所にもテーブルに置いてあるような花が飾ってあるので、手間は掛かるでしょう。

防音はかなり良くて、隣室の会話は全く気になりません。
隣室の物音がほんのわずかに聞こえたのと、上階の歩く音もほんのわずかに聞こえました。
あと外の水の音は少し聞こえます。
と言っても、音を気にする僕が問題なく眠れるので、問題はないでしょう。
万葉亭も防音はかなり良かったけど、防音自体はそれよりもほんの少しいいと思います。

前回よりもリビングがやけに広いなぁと思って聞いてみたら、やっぱりアップグレードしてくれてました。
アップグレードしてもわざわざそれを客に言わない。いい接客です。
部屋の壁が多少黒ずんでいる箇所があったり、洗面などを見ると施設はやや古い感じを受けますが、
それほど気にはなりませんでした。


■風呂 90点
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前回は24時間と書いてありますが、正確には次の日の朝9:30までです。
9:30から清掃が入るので、それ以降は入れません。
内容は前回と同じ。
書いてなかった事で、シャンプー類が確かKOSEでした。
あと脱衣所を出た所に冷水やフランスベッドのマッサージ椅子があります。

風呂も多少施設の古さを感じますが、16,000円弱の宿泊料ならこんなもんでしょう。
1つ前回同様気になるのが、露天の湯船の手前にあるマットですかね。
マットがお湯を吸い込んでびしょびしょなのですが、それがお湯から水に変わっているので冷たいんです。
だから前回も今回もそのマットを避けて風呂に入りました。
これは変えた方が良いかなぁ。


■夕食 100点
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部屋食。
運ぶペースは酒を飲まない人には食べ終わった頃くらいにちょうど持ってくる感じ。酒を飲む人だと少し早いかな。
でも気が利く宿なので、そういう場合はまたペースを変えるかもしれません。
料理の説明もあり、メニュー表以外の説明もします。
万葉亭の所で米の産地の事を書きましたが、この係の女性に教えてもらいました。
メニュー表はここも最初に手渡しだったかな?忘れました。
料理は最初、前菜・造里・台の物が届き、台の物は自分で好きな時に火が付けられます。それ以外の料理は一品だし。









食前酒はブドウ。
アルコールが薄くて僕には飲みやすかった。

■前菜 秋の吹き寄せ



もずくはまあまあ。
その右は普通。
サザエは少し良いくらい。
きゅうりも普通。
いくらは、塩でも醤油でも無く、変わっていて良かった。
このいくらのネーミングにぴったり合うのは、佳松で出た「新いくら柚香漬」じゃないでしょうか。
このいくらはそれっぽい味でした。
やっぱり佳松は何か入れ忘れたんじゃないかなぁ・・味がなかったし。
豆腐もまあまあ。
前日の万葉亭とは大違い。

■先椀 海老真丈 松茸 木の芽






やっぱここの吸物うまいな〜。
確か前回の土瓶蒸しもかなり良かったはず。
今回のは松茸を使っているからなのか、やや醤油風味でした。
濃さとか本当に文句の付けようがなく、僕にぴったりでした。
そうそう、やっとシンジョウの字が分かりました。

■造里 海風まかせ






これはものは悪くないけど、鮮度がややどうかなっていう所。
僕が宿の標準の刺身って言ってる味の下の方かな。
でもこれにしたって金額を考えればOKでしょう。
万葉亭の物より鮮度も良かったし。


■焼物 くえ まき海老 塩焼き





茶色っぽいのは栗。
焼き物は前回の方がおいしかったな。
くえの方の水分がちょっと飛んでいるので、食べてると少ししょっぱいです。
おそらく運んでる内に水分が抜けていったんじゃないでしょうか。
それが無ければたぶんちょうどいい味のはずなので、運ぶことも計算して欲しかったな。

■煮物 かぶら蒸し 鯛 銀杏 木耳





鯛は下の方に隠れています。
この料理はあんかけのような感じですが、ここはあんかけが上手なんです。
前回にもあんかけの料理がありましたが、それもかなりおいしかったです。


■台の物 あだたら酵母牛 しゃぶしゃぶ





この肉はかなり質のいい物でした。
ただ僕はしゃぶしゃぶはそれほど好きではないので。。
前回と写真を比べると肉の質が上がったようですが、これはオンシーズンで値段が上がったからかな。
普通は内容は変えずに料金だけ上げると思いますが、良心的ですね。
あと前回よりも野菜の量も増えてますね。

■揚物 蓮根はさみ揚げ






この料理は前回には無かった物なんですが、今回は1品増えていました。
(これもオンシーズンだから増やしてくれたのかな??)
揚げたてを持ってくれました。
何かの白子とピーマンとあとの2つは忘れました。
これもまあまあです。




■食事 菊花ごはん 香の物

菊とシラスを混ぜたご飯ですね。
ここの米は大玉村っていうところのコシヒカリだそうです。
炊き込み御飯はどこもそれほど変わらないっていつも書いてる味なので、まあまあです。
ご飯を食べきれない方はサービスでおにぎりにしてくれます。
ご飯は最初の方で頼むことが可能だったかもしれませんが、忘れました。

■止椀 なめこ 豆腐 三つ葉

味噌汁についていつもあまり書かないのは、味噌汁はその地域ごとの味だから。
それにどこで食べてもそれほど味の満足度は変わらないかな。
唯一すごくおいしかったのは、茶寮宗園の味噌汁くらいです。







■水菓子 林檎ワイン煮

ワイン煮の隣はヨーグルトかレアチーズかどっちか忘れました。


平成19年10月 
あだたらの宿 扇や  料理長 大宮 満博

見た目はそれほど気を遣っていませんが、この位の料金に見た目は求めません。
それにしても、相変わらず料理はうまいです。
ここの料理を食べてると尻上がりに段々満足度が上がっていくんですよね。
今回はオンシーズンで15,900だったけど、オフシーズンなら12,750円。
料理以外の内容も結構良く、しかも夕食が部屋食でこの内容だから、やっぱりあり得ないくらい良いです。
前回はこの宿の後に値段が3倍する茶寮宗園に行ったので、茶寮宗園の評価がかなり厳しくなったっていう経緯もありました。
僕が行った事のある15,000未満で泊まれる宿ならここが一番いいと思います。
15,000未満で泊まれて料理の美味しい宿は、扇や・覚楽・せきやあたりですが、純粋に味だけでいったら、扇や=覚楽>せきや。でも扇やは、部屋(ほぼ一品ずつ)・会場で、覚楽は会場(ほぼ一品ずつ)・会場、せきやは個室(最初半分くらい並びその後一品ずつ)・個室、料理以外の部分でも総合すれば扇やが一番なので、扇やが一番お勧めです。
ただ、部屋の眺望(壁かビニールハウス)が我慢出来て、細かいサービスを気に される方は、覚楽の方がいいかもしれません。 覚楽は琴の生演奏があったり、到着時に抹茶サービスなどもあります。


■朝食 90点
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朝食は前回通り。
何か書くとしたら、お茶を積極的に従業員が注ぎにきたり、コーヒーのやり方が分からなければ一緒になって教えたり、
水が欲しいといえばすぐに持ってきたりいろいろサービスは良いです。
万葉亭のように呼ぶのに苦労したということもありません。

■従業員 100点
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会った従業員は男性は2人とも年配、女性は20代30代が多そう。
今回も客室係の女性は袴をはいていました。
料理同様、接客も相変わらず良かった。
万葉亭も良くやってるとは思いますが、こっちと比べると霞んでしまいます。
出迎え、見送りの男性は大したことはありませんが、ここはなんといっても女性の従業員がすごいです。
一生懸命さのような物はあるし、常に笑顔、話すのも上手で丁寧、実力もあります。
部屋係の女性も前回に比べてさらに良くなっていました。
話しているのを聞いたりしていると、ほとんどの女性従業員は同じ速度で話しているようです。
だからたぶん女将が指導しているのだと思いますが、その話す速度が何とも言えず心地良いんです。
従業員同士の仲も良さそう。
うぶやがそうだったけど、従業員同士の仲が良さそうな所は接客が良いです。

チェックアウト時に今回は女将がいませんでしたが、見送りの男性と客室係が見えなくなるまで手を振ってくれました。
見送るだけより、手を振ってもらった方がやっぱり印象に残ります。
前回同様、車内に折り鶴の貼ってあったメッセージカードが置いてありました。

■感想
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いい宿なのが分かってると、安心して泊まれます。
ここの料理がおいしいのは知っていたので万葉亭を先にしましたが、大正解でした。
おそらく逆の順序で泊まっていたら、万葉亭の料理はもっとひどい評価になっていたかも^^;
万葉亭のコスパの項目と比べると、部屋と館内通路に花などが飾ってあって手間が掛かる、
肉などいい素材を使っている、味付けがかなりいい(2万くらいの宿の味)、夕食はほとんど一品出し、朝食は会場食でも人手は足りてる、
何かのサービス的なことでは、滞在時間が1時間長い、やや狭いけどロビーに行けばコーヒーなどがセルフで自由に飲める、ご飯をおにぎりにも出来る、
部屋のアップグレード(わざわざそれを言わない)、空の冷蔵庫、女性には浴用布袋付きなどが言えます。
分かりやすいように万葉亭と同じ書き方で書いたので、比べると分かりやすいと思います。
施設は多少古さを感じますが、それでも大満足出来る内容です。
個人的には万葉亭のような所より、こういうがんばっている宿にこそ泊まりに行ってもらいたいものです。
ここにはこれから先、何度も訪れることになるでしょう。

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