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岐阜県にある福地温泉 草円(旧 まつ屋)に行ってきました。
槍見館、かつら木の郷と電話で問い合わせたものの満室で断られ、ネットの空室情報があるところで行き着いた所がここでした。
ネットで草庵を予約、2人は18500円で、3人だと17500円でした。

宿には15時ちょうどくらいに到着。
草円は福地のメイン通りにはなく、少し細い道を奥に入っていった所にあります。この日はあいにくの雨でしたが、宿正面の道路に車を停めると、中から和紙の傘を持った若い従業員が男性女性1人ずつ出てきてくれました。車は従業員が駐車場に運ぶらしく、名前を告げ中に入ります。

中に入るとまず宿帳記入。その時にネット予約特典のドリンクが夕食前か翌日の10時までに注文出来るという説明を受けました。(ドリンクはトマトジュースとなっていますが、コーヒーか柚子茶でもOK)
それが終わると、フロントのすぐ側にある囲炉裏の部屋に案内されます。
そこで、きなこ餅、緑茶、おしぼりを振る舞ってもらい、そして部屋への案内。

囲炉裏の部屋は、座布団の代わりに熊の毛皮があります。
またその周辺には昔ながらの家具などが配されており、この辺は奥飛騨ならではですね。もらい湯で行った長座もフロント周辺は同じような感じでした。かつら木、長座、草円は同じ系列なので、もしかしたらフロント周辺はどこも同じような感じになってるのかもしれません。

部屋への案内は車まで出迎えてくれた女性で、笑顔で話しますが、世間話はありませんでした。部屋へ着くとお茶出しはなく、浴衣の確認などをして退室。

今回から部屋・風呂・食事・従業員の所に、料金に対する満足度で点数を書くことにします。部屋食や部屋に露天風呂が付いてるなども考慮してますが、自分の気分で付けてます。

◆部屋 100点
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お祝い事で予約したからか、308の月見草という角部屋にしてもらえました。たぶん草庵の部屋の中ではここが一番いい部屋だと思います。と言っても、部屋の広さは同じなので、変わるのは踏み込みの広さと眺望が少し良くなるくらいです。

部屋の広さは6畳の居間+7,5畳の寝室+2,5畳の通路+踏み込み&トイレ&洗面で4,5畳位の広さとかなり広かったです。
布団は最初から敷いてあり、最後まで片付けに来ることはありません。
トイレはウオシュレットで電気が自動で点き、便座まで自動でボタン1つで上下し、さらにボタン1つで便器の掃除までしてくれます。
去年出来たばかりなだけあって、かなり新しかったです。あとトイレには炭も確か置いてありました。




冷蔵庫は空です。飲み物は部屋を出た通路に置いてあり、常に湧き水と氷で冷やされていました。


お茶の他にしいたけ茶もありました。
アメニティーの量は普通です。
眺めは近くに川が流れていますが、川は見えず林しか見えません。草庵の眺望は基本的に駐車場に面しているので、そんなに期待出来ません。
花や掛け軸などはありませんでした。
掃除はどこも行き届いていました。
防音は、上の階は無いし、隣の音も全く気になりませんでした。
部屋がとにかく広くて良かった。
周囲の音も気にならないし、布団が敷きっぱなしなのもGOOD。

◆風呂 90点
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着いた時から翌朝の10時まで入ることが出来ます。
大浴場が1つと貸切が3つあり、大浴場の男女交替はありません。
大浴場の脱衣所はかなり広く作られて、床暖房もあります。
カランの数は5個でここが風呂とは独立していて、シャワー室(かなり広め)の様な感じ。
5人ほど入れる低温サウナ(熱めのお湯の蒸気で半身浴と蒸気の熱で汗をかく風呂)の様な風呂が1つと、10人ほどがゆったり入れる広さの露天風呂が1つ。(湯船の段差が普通よりも広く取られています)
露天の景色は山々が見え、結構良かったです。天井の屋根に使われている木は、館内と違って新しかったです。
お湯の質は、無色透明で少し肌がつるつるになるくらいでしょうか。
蒸気風呂から出てるお湯は、すぐにつるつるになるのが分かるくらいのお湯でした。
露天の温度は適温です。
残念な事にここは内湯がありません。内湯があって露天がないのは良くあるけど、その逆。内湯も欲しい。
大浴場を出た所に源泉と湧き水が流れていて、飲むことが出来ます。
貸切風呂は道路を挟んだ反対側の建物にあり、宿の入り口から70mくらい歩きます。3つの内の2つはカップル用で、1つは家族用のようです。
家族用の貸切は、カラン2つで内湯が6人くらい、露天が8人くらい入れる広さです。内湯は腰の高さまでしかお湯が溜まらない仕組みになっていて、温度はやや熱いです。ここでも半身浴を勧めてるし、ここの宿の風呂は全体的に半身浴に力を入れてる
ようです。
露天は少し温いです。冬だと寒いくらいになってしまうかもしれません。
たぶん全部の風呂が掛け流しだと思います。
貸切は無料の割にはかなりいいので大浴場に内湯があれば最高だったんだけど、やっぱり内湯がないとダメですね。

◆夕食 90点
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夕食は食事処で、18時か18時30分からです。
囲炉裏を囲んで食べるような会場になっていて、テーブル席の3席くらいと、中くらいの部屋が4つくらいあり、2,3席ずつありました。
基本的にカップルはカップルだけ、家族連れは家族連れの近くとか、考えて配置をしてくれてるみたいです。他の客と同じ部屋になったとしても、衝立があって他の客は見えないようになっていました。



席に着くと、すぐに岩魚の塩焼きと五平餅?が届きます。(メニュー表はありません)
その2つは最初から焼いてあり、すぐに食べられます。
岩魚の塩焼きは、焼き方が上手でおいしかったです。僕はシッポ以外全部食べますが、頭を食べた時に魚の歯が固いか軟らかいかで焼き方の基準にしてます。
骨だけじゃなく歯まで軟らかくて気にならなかったのは、ここと嵐渓荘くらいです。


料理は最初から最後まで、ちょうどいいくらいのペースで運ばれてきました。
料理の説明は少しありますが、世間話はありません。



土瓶蒸しは松茸でしたが、松茸の酸味?の味が強くて普通でした。



肉は飛騨牛でしたが、この肉は本当にうまかった!
次の日のみやこも飛騨牛は出ましたが、こっちの方が断然美味しかったです。

それ以外の料理は普通か少しおいしいくらい。
こういう囲炉裏の料理は、雰囲気を楽しめていい反面、あまり手の込んだ料理が
出ないのが欠点ですね。



紅白の雑煮は、お祝い事だったのでサービスでした。



岩魚のお造りは別注で1000円で、味は普通です。

食事の時に若旦那が挨拶回りをしていました。まだそんなに慣れていない感じで多少ぎこちなかったです。
通路を挟んだ向かいのカップルにメニュー表が無いって言われたようで、平謝りしながら去っていました。去りながら謝ってたので、その後すぐに戻ってくるのかと思いきや、最後まで戻りませんでした。
なんか一番やっちゃいけない去り方のような気がしますが、まあどうでもいいですね。

◆朝食 90点
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朝食も同じ場所で食べることになります。
朝8時から食事会場の入り口で餅つきが始まり、見学することが出来ます。ここの餅つきは、若い男性がつき役とこねる役を1人でこなします。都会の人をターゲットにしてるなら、2人でやった方がいいような気がしますが・・・これまた、余計なお世話ですね。
1人でついてたけど、この餅はおいしかったです。
おかずもまあまあで、印象は良かったです。


◆従業員 85点
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従業員はほとんどが若かったです。男性と女性の割合は8:2くらいでした。
貸切風呂に行く時やもらい湯に行く時など、笑顔で挨拶してくれるし、全体的に感じはいいです。あと何か困った素振りでもあれば積極的に声を掛けてきてくれます。
ほとんどの従業員は世間話はしませんが、1人だけ、20代後半くらいの女性がよくしゃべってくれました。

◆福地温泉全体のサービス
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福地温泉にはもらい湯というサービスがあって、福地温泉に泊まれば、泊まった所とは別の旅館の風呂に1軒だけ入れます。
時間は15:00〜16:00と18:00〜21:00です。
僕は近かったので長座に行きました。
長座の露天風呂は、提灯1個の灯りしかないためかなり暗いです。でも湯船はかなり広いので、昼間入っておけば良かった。

◆感想
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古民家風の建物で営業している旅館は結構あるけど、家具や餅つき、ご飯を竈で炊いたり、細かい所までこだわってる旅館はそうは無いんじゃないでしょうか。
たぶん草円は、かつら木や長座と比べ、よりカップル向けに特化した宿だと思います。
料金もそんなに高くは無いし、いい宿でした。
福地温泉は温泉地として良くまとまってるので、また行ってみたい温泉地です。