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+++はじめに+++
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俵屋旅館【食事編】

京都の俵屋旅館に行ってきました。1人で・・^^;
京都の宿って言ったら、俵屋、柊家、炭屋の3軒でおもてなしの宿として有名らしいです。
料金は一番安い部屋だったのですが、1人の為、70,035円でした。
ちなみに2人だったら、1人42,263円だったそうです。
感想は42,000で泊まったとしての感想です。
いつもはばれるのが嫌で詳しくは書きませんが、ここは書けば絶対にばれてしまうので、どうせばれるならば詳しく書きます。

ここはネットで予約が出来ないので、電話で予約。電話はこんな感じでした。
自「あの〜、ちょっとお伺いしたいんですけど・・・」
宿「はい、どうぞ。」
自「1人旅は受け付けてますか??」
宿「1人宿泊と言うことですね。受付しておりますが、(ここらはうろ覚え)部屋代+食事代で80%、90%がどうのこうので、料金がかなり上がる」と言われました。
(80%?90%?意味がよく分からないので)
自「○月○日はいくらから泊まれますか?」
宿「はい、私共の宿はお正月以外は同額料金でその日は一泊70,035円(ななまんとびさんじゅうごえん)からになります。」
自「じゃあ、それでお願いします。」
宿「1泊70,035円からになりますが、よろしいですね?」
自「はい。」
で、名前と電話番号のやりとりの後、
宿「お客様はご利用になるのは初めてですか?」
自「そうです。」
宿「初めてのお客様の場合、宿泊予定日の一週間から10日前くらいに電話でご連絡をさせて頂くことになっています。2日前になってもご連絡が取れない場合、自動的にキャンセルとさせて頂きますがよろしいでしょうか??」
自「はい。」
宿「ご予約ありがとうございました。」その後に一言言われたような気がしたけど、忘れました。
自「はい、お願いします。」ツーツー
ちょっと京都訛りのある男性で声が若く、30代前半くらいの男性だと思いました。
でも実際泊まってみたら、予想より15歳くらい上で皇太子似の方でした。
後で分かったことですが、
1人42,263×2=84,526 70,035÷84,526=82.8%
これを説明してたみたいです。

ここは料金表が無い宿です。予約する前に1人宿泊は6万円台という物をネットで見ていました。で、JTBの予約サイトを見ると48,000と54,000の部屋があって、48,000は満室。だから行かれた方の1人宿泊よりも高いし、54,000の部屋に泊まることになるのかなって行く前は思ってました。でも行ってみたら、48,000よりもさらに安い部屋があって、その一番安い部屋でした。
う〜ん、いつから値上げになったんでしょうか。
帰りの領収書を見ると、70,035の内訳は消費税が3,335で、サービス料が8,700との事でした。70,035−3,335=66,700
サービス料が10%じゃないので、朝夕食のサービス料が2人分?取られてるみたいです。(この分が値上げ?)
ちなみにルームチャージは、常磐の部屋の場合4万円です。
それなので、66,700−44,000=22,700が、夕食&朝食の料金です。
これに消費税がかかるので、夕食が約20,000、朝食が約3,000です。(2人なら夕食は18,000かもしれません)
料金表がないので簡単に書くと、42,000から84,000まで6,000単位であります。ただし、78,000だけはありません。どの部屋がいくらかっていうのも聞いたので全部分かりますが、料金表が無い宿なので載せることが出来ません。

宿には14:30頃に到着。
(イン14:00 アウト11:00)
でもその前に10:30に傘を借りに行って、13:30に傘を返しに行きました。13:30の時でもチェックインは出来たっぽいです。
傘を借りた時に名前を聞かれましたが、その時に浴衣のサイズを準備したようです。(最初からちょうどいいサイズだったので)2回ともわざわざ外にまで出て、しばらく外で見送ってくれていました。
宿の入り口は、やはりここもこぢんまりしています。
入り口にドアが見当たらないのですが、戸締まりはどうするんだろ??
中に入って少し行くと日が差す場所になり、その左側が帳場になります。
靴を脱いでスリッパに履き替えると、すぐに部屋へ案内です。



このスリッパは紙のスリッパのように軽くて、履いてる感じがあまりしないスリッパです。

靴を履き替える真ん前に茶寮宗園並みの巨大な屏風がありました。

中に行くとまた中央が吹き抜けと言うよりは、外ですね。この外の部分とは別に庭園などがあるみたいです。案内してくれたのは40代の女性で、ちょっと奈美悦子に似てました。この方はかなり感じのいい方で出会った中では一番良さそうな方でした。
通された部屋は常磐という部屋で、部屋に付くと部屋の簡単な説明とテレビを使うか聞かれ、使う人は中にしまってあるテレビを出してくれます。
荷物は前日の柊家別館が宿まで送り届けてくれていました。
あとからお茶が来るということを伝え、奈美悦子さんは退室。

少し経つと、お茶とわらび餅とおしぼりを持って、20代の女性が来ました。(わらび餅の竹の器は、キンキンに冷えていました。お茶が美味かったので、遊形という俵屋直営の店で土産に買って帰りました。かぶせ茶という物らしいです。)この方とは傘の貸し借りでその前にも2回会ってます。世間話はありませんでしたが、かわせみのように音を立てないよう、ゆっくりゆっくり置いていました。

さらにしばらく経つと、奈美悦子さんがまた来て、若奥がお茶の席を用意しているがいかがですか?と。簡単な席なので是非とのこと。
若奥(わかおく)とは、簡単に言えば若女将のことで、若女将の呼称が嫌いなので若奥と呼んでいるとか。
茶室に行ってみると3畳ほどの所で、少し熱めの抹茶と俵形のお菓子が出されました。
時間は10〜15分くらいいたと思うのですが、1対1なので見合いをしているみたいでした。若奥は30代くらいの方だと思います。
戻ってしばらくすると、今度は夕食係の方(60前後の方)がほうじ茶を持ってきました。


◆部屋 95点
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広さは8畳+4畳分位の居間?+風呂。

眺めは、つわぶきの木が3,4本あって、春だったかに咲くそうです。
障子があって上が見えないようになっていますが、高層ビルが2つありそれの目隠しを兼ねてます。
椅子には腰当てと膝掛け、ソファーには昼寝用の掛け布団?がありました。
朝日新聞の夕刊と朝刊がサービス。
防音は、主室などにいる時は上下の音は聞こえませんでした。隣室は階段で無かったのですが、階段を挟んだ反対側か廊下の声は結構響きました。
風呂の防音については次で。

冷水は最初から置いてあります。
その下にお茶セットがありますが、お湯が無いし無くてもいいような気が・・・
冷蔵庫はありませんでした。
ハンガー1つ1つやトイレには匂い袋がありました。
花はありませんが、掛け軸の近くに柳の枝?があります。
掛け軸が梅の木なのでそれを映えさせるのに使っているんでしょう。この掛け軸は月替わりで、1部屋1部屋違うものが置いてあり、帳場近くの屏風や通路の掛け軸も月替わりみたいです。
掃除はどこも行き届いていました。

布団は俵屋名物の?分厚い布団です。敷き布団の高さが15cm位あります。
その大部分(10〜12cmくらい)が固めのマットレスです。
僕は固いマットレスは好きではないので、背中が固くてあまり好きではありませんでした。
掛け布団もいいのを使っていて、保温に優れていると思います。
でも部屋自体が熱を通しにくいし(エアコンを12時に止めて7時になってもそれほど寒くありませんでした)、布団の中は熱くて汗が出るほどなので、毛布もあったけどいらないっぽいです。
腹の所までしか布団を掛けずに寝たので、朝は波にさらわれる夢で目が覚めましたorz
布団の所に目覚まし時計があって、朝食時間の30分前にセットしてありました。使わなかったので音は分かりません。
あと布団の所にパジャマ?も置いてあるのですが、着てみると上が異常に長くて膝の辺りまで丈がありました。人間ダックスフンドの出来上がり?!着方があるのかもしれませんが、分かりませんでした。

水回りはかなり古いです。


洗面は1つで、周りには俵屋オリジナルの物が色々ありました。

トイレはウオシュレット。トイレの手洗いは、かなり昔にあった蛇口が下についてて回転させて出す奴です。洗面も1つだし、トイレ&洗面&風呂は少し狭いです。
まあここの場合はそれを売りにしてるのかもしれないけど。気になったのは防音くらいです。

で、すごいなぁと思ったのが部屋の造り。たぶん和風建築の建物でここより部屋の造りのいい旅館は無いんじゃないでしょうか。素人なので詳しいことは分かりませんが、ところどころ微妙に色を変えたりして飽きさせない様になっています。それに合わせるようにテーブルや障子なども1部屋1部屋変えてあるようです。


コンセントやスイッチなどは目立たない所になぜか横向きで。

一番気に入ったのは、部屋と光が調和してるような感じです。
この部屋にはこの明るさしかないって言うくらい絶妙で、光が部屋に映えてました。
電気の位置もいい所に置いてあって、こういうのが部屋に置いてあった本に書いてある、「物の配置を知っている」って言うことなのかなと思いました。だからこの部屋は昼間よりも暗くなってからの方が良かったです。
そうそう、1泊6万の部屋(翠)も見せてもらいましたが、少し部屋が広くなるくらいで造り自体はそんなに変わりませんでした。
庭園もありましたが、茶寮宗園の方が遙かにいいので何とも思いませんでした。
茶寮宗園の1泊63,000の部屋も見せてもらいましたが、こちらも部屋が少し広くなって露天風呂が付くくらいで造りはそんなに変わりません。どちらの宿も中途半端な金を出すなら上の方のクラスにした方がお勧めです。茶寮宗園なら84,000以上、俵屋なら72,000以上がいいと思います。

☆部屋のオリジナル画像はコチラ
☆宿の見取図はコチラ

◆風呂 大浴場が無いので点数なし
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ここには大浴場が無いんですよ。
でも調べてみたら、京都の町家風の旅館は大浴場がほとんどありませんでした。一部、柊家などは家族風呂がいくつかあるくらいです。



広さは測った訳じゃないけど、100〜110cm×2m強くらいかなぁ。やや狭く、完全に1人用。
湯船の長辺が90cm位しかないため、足を伸ばすことが出来ませんでした。湯船の広さは6万の部屋も同じでした。係の方の話だとどこもそんなに変わりないそうです。
俵屋石けんと垢擦りと温度計が置いてあります。
到着した時からお湯を引いてくれていて、16:30に一度入ってみた時のお湯の温度は48度でした。
シャンプーなどは俵屋オリジナルで、玉理化学の物らしい。
旅館のいわゆる、ぱさついてまとまらないシャンプーとは違い、質の良い物でした。
柊家にもオリジナルシャンプーがありますが、僕は柊家の方が好きかな。
2つを比べると、柊家はフラワー系の香りでサラサラ感が強い感じ、俵屋は地味めな香りでしっとり感が強い感じ。石けんもやっぱり地味めな香りで、花王との共同開発なので花王のマークが入ってます。
湯船は木ですが、本を読んでいたら檜ではなく高野槙という物らしいです。
あまりよく違いが分かりませんが、手触りや匂いなどが檜よりもより木っぽい感じがしました。
光が低い位置にあるので湯船の表面が少し光り、やっぱりここでも光の使い方が上手です。
防音は、僕が風呂に入っていたらちょうど上の階も入ってきたらしく、入ってきたのがよく分かりました。
あと外が少し空いていて、僕の泊まった部屋は大通りに近い部屋のため、通行人の会話が結構はっきり聞こえました。

正直ここの風呂がいいとは思えないなぁ・・
湯船が狭くて足を伸ばせないし、洗い場も最低限のスペースしかありません。部屋によっても違うと思いますが、湯船に浸かりながら通行人の会話や上の階の音が聞こえるのには興ざめ。いい点は、水面が光る、シャンプー類がいい、木の香りがかなりするくらいかなぁ。
でも周りの音が聞こえるし、やや狭くてくつろげないっていう点でアウトです。

◆従業員 95点
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夕食の係の方を除けば、僕が想像していた高級旅館の接客をしてくれる所でした。
恐らくここには誰が行っても接客には満足するんじゃないでしょうか。
藤井荘のような細かい気配りはありませんが、接客の仕方は一流だと思います。僕が良かったのは奈美悦子似の方ですが、茶寮宗園の売店の女性並みに良かったです。
他にも若奥やフロントの男性も良かったし、帰りの見送りにいた方達も感じは良さそうでした。
フロントの男性は、京都の塀が外側から見ると建物に向かって倒れるようになっている(正確には横から見ると山の形、帰って写真を見て気付きました)のを何軒か見たので気になって聞いてみると、初めて聞かれた質問だとかで中村なんとか工務店に電話をして、わざわざ部屋まで次の日に教えに来てくれました。
回答は、昔の土壁にはそういうのが見られて、崩れにくくするためにそういう風になっているんだそうです。現在はほとんど残っておらず、昔の名残でそういう風にしてる所もあるとか。
接客で唯一残念だったのが、夕食の係の方が悪すぎたこと。通路で会った他の2人の方でも、同じような感じになってたっぽいです。夕食の係って言うよりは、夕食を運ぶだけの人っていう感じですかねぇ。サービス料も多めに取られてるわけだし、もう少しがんばってもらいたいものです。
夕食係が客と接するのが一番長い訳だから、是非改善して欲しい。まあでもこっちが若いから適当にやってるだけかもしれないので、行く人が違えばきちんとするのかもしれません。行かれた方の夕食係の対応を聞いてみたいものです。

事前の情報では、ここの女将はかなりすごい女将で話もおもしろいらしく絶賛されていました。
だからどうしても一目見てみたかったので、若奥や夕食係にそれっぽいことを言いました。
でも、女将は部屋に挨拶などは一切せず、仕事ぶり?が有名とのことでした。
帰りの日に土産を買って宿に12時頃に戻ると、努力の甲斐あって?女将がいて突然話しかけてきました。
まさかいるとは思ってなかったので、てんぱってかなり失礼なことを言ってしまいましたが、全然嫌な顔はしなかったですね。やっぱり感じのいい方で、何かオーラが出ててかなり緊張しました。
僕が若奥や夕食係に言ったことは逐一伝わっていたようです^^;
今度は1人じゃなく、新婚旅行の時にでも来て下さいとのことでした。
着物は着ていなくて、黒のネグリジェっぽい物を着てました。
見た目は60代に見えましたが、調べてみたら74歳みたいです。タクシーを待つ間にその女将の仕事ぶりが見られたのですが、ここはこの位切るだとか色々指導してました。貴重な物が見られて満足です。
その一連の様子を見てて、若奥っていう呼称が嫌いというよりは、若女将の女将っていう言葉で並べられるのが嫌だから若奥が一歩引いてるような感じに思えました。

◆パブリック
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ここにはパブリックスペースがいくつかあります。
庭座・・・あまり落ち着かないのでイマイチ。
ラウンジ・・・ここは普通かな。
図書室・・・入り口が狭く、中が広がっているような構造。子供の頃の秘密基地みたいな感じです。
アーネスト・スタディ・・・女将の旦那さんの書斎を再現したもの。ここが一番良かったです。17時に開きますが、17時台に行くと人気があって人口密度が高いです。
ここにはちょっとしたキッチンもあって、セルフですが色々と飲み物が飲めます。

☆パブリックスペースオリジナル画像はコチラ

◆感想
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コストパフォーマンスは悪いかなぁ。
理由は夕食が値段に見合わなかったからです。
ただここやかわせみは土曜も同じ料金なので、土曜に泊まるとお得だと思います。
夕食を除けばかなり満足しているので、夕食抜きなら是非また泊まりたいです。(他の部屋も見てみたいし)
部屋の造りと接客は超一流だと思いますので、是非一度は行ってみることをお勧めします。
でも新婚旅行に使うのは、防音が悪いからやめた方がいいかな。

◆帰りのタクシーにて
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俵屋に呼んでもらったタクシーで俵屋がどうだったか聞かれたので、部屋と接客は良かったけど料理が全然ダメだったって答えました。
料理の事について聞かれたので、ダシを含めて味付けが薄い、手間暇は掛かっていて不味くはないけど見た目ばっかり気にして味がおろそか。料金が2万するらしいけど、出しても1万円くらいで8千円くらいの内容などなど言いたい放題答えました。
で、運転手の発言はこれ。
俵屋、柊家、炭屋はおもてなしの宿として有名。京都は軟水の昆布だし、関東は硬水で鰹だし。だから味が薄く感じるとか。関東は素材をいかに美味しくするかだけど京都はそうじゃないとか。こんな様なやりとりをして、2人が行き着いた答えはこれ。京都の夕食は旅館ではなく、おいしい料亭を自分で調べてそこで取るということ。運転手がいうには、料理にあれこれ注文をして、自分の好きな物を注文するのが京都。
その為に色々な料亭に行ったり、自分で調べたりしてお気に入りの料亭をまず見つける。
気に入ったのが見つかったらそこの常連になって、俵屋などのおもてなしの旅館に泊まるのが京都流なんだそう。
なるほどな〜って思いました。
女将のことも聞いてみたら、大学などでおもてなしについて公演したりしているそう。
有名な女将みたいです

食事編はコチラ→俵屋旅館【食事編】