箱根芦の湯温泉 匠の宿佳松食事編
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こちらは食事編です!
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匠の宿 佳松【本編】


◆夕食 100点
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夕食は部屋食です。
係の方は60前後くらいに見えたのですが、58歳だそうです。
料理の時間は確か18:00か18:30からでほぼ一品ずつ届きます。
18:30辺りの時多少遅くなったような気がしますが、トータルの時間は90分だったので、普通だと思います。
料理の説明は運んでくる度にしてくれました。

彩る月(最初意味が分かりませんでしたが、凌義のところで分かりました)

↓この1枚は宿から頂いた夕食全体の画像です



一.食前酒
桃の食前酒でした。食前酒、箸附、前菜が一度に届きます。

一.箸附
落子おくら寄せ
生うに 岩茸 美味出し汁

こういう料理が出ると僕は一口で食べずにうにだけとかおくらだけとか分けて食べてしまうので、まとめて食べるとどんな味がするかは分かりません。
汁はうまかったし、具の方もそれぞれおいしかったです。



一.前菜(この画像もhideさんが宿から頂いた画像です)
栗毬盛り 栗才巻  銀杏 百合根
新いくら柚香漬
秋刀魚腸焼き
合鴨薫製

運ばれてきた時に「ここまでの料理を食べて頂ければ、大体味が分かる」様なことを言われました。
栗の料理は驚くほどでもなかったです。
いくらは、一粒一粒に弾力があって海岸沿いで出されるちゃんとしたいくら。そういったいくらだと醤油漬けが一番合うと思いますが、醤油も塩でも味付けされていないのでいくらだけ食べても味はありません。
醤油や塩の変わりに柚香っていう物がありましたが、何か分かりません^^;おろし生姜だと思って頂ければ分かりやすいと思いますが、味が付く前のいくらに生姜と食べても味はしません。よく分からなかったのですが、これはこういう料理なのかな?
秋刀魚の味付けは京都風。
俵屋でさんざん京都料理を悪く書きましたが、京都の中でもおいしいと思う物はあって、それが魚の味付けと漬物なんです。その京都の魚の味なので、おいしかったです。
合鴨は、花壇のレポを書いた時はローストビーフだと思って書いたのですが、今見たら合鴨でした^^;この合鴨はかなりおいしく、おそらく僕が今までに食べた鴨肉では一番おいしいと思います。


一.椀替わり
土瓶蒸し
松茸、鱧、小鯛 三ツ葉、すだち

すだちは最初から種が取ってありました。
蓋を開けて写真を撮りましたが、中にあまり具が入っておらずシンプルな物。松茸の土瓶蒸しで松茸の味が強く出ると、汁は少し酸味が出ます。おいしいことはおいしいけど、僕はもう少し中に具を入れて、その酸味が出なくなった松茸の土瓶蒸しの方が好きだな。
松茸の土瓶蒸しなら、みやこが一番おいしかった。
いつもだったら、全料理の中で土瓶蒸しはおいしい方に入るのですが、ここは土瓶蒸しが他の料理に比べて見劣りしました。それだけ他の料理がおいしかったということです。



一.造里
季節の鮮魚
妻 山葵

この写真だけじゃよく分からないから、崩した写真も撮っておけばよかった。内容は、ボタン海老、トロ、タイ、アオリイカ。
浜の湯のところでお造りはある程度値段を出せば、味はそんなに変わらないと書いてから、やけにお造りのおいしい旅館が続きます^^;
ここは佳松園のお造りと同じくらいおいしかったです。
皿の水滴を見て分かるとおり、お皿も冷えてました。
右下の茶色っぽいものは「ばくだい」と言って、懐石くらいにしか使われないそう。「はくじゅ」という木から取れ、中国からきてるそう。食べるとお通じが良くなるとか。味は何とも言えませんが、もずくを細かくして、酢の味を取ったような感じかな。
「お造りはどうでした?」と聞かれ、おいしいけど最初の料理の方が印象に残ってるみたいに答えたら、「お造りは鮮度が良いと他のお客さんに評判がいいんです」みたいな感じで言われました。
料理人の味付けがかなり上手なんだから、どこでも食べられるお造りなんかじゃなくて、調理した物を褒めてあげればいいのに。お世辞でお造りがおいしいって言ってるだけのように思われたみたいなので、そこは一応フォローしておきました。



一.凌義
稲庭温飩
辛味大根、滑子 めんつゆ

運ばれた時に9月の2○だかが月見の日なので、うどんの上に月があるそう。それなので、たぶんタイトルが彩る月になったんだと思います。
稲庭うどんは本場の店で食べたことがあるのですが、ほとんど印象に残ってないので、ここの方がうまいと思います。
めんとつゆの相性がばっちりで、藤井荘の蕎麦がうどんになったみたいでした。まあ蕎麦よりうどんの方が麺とつゆが合いやすいですけど。



一.鉢肴
カマス酒焼き
長芋 酢取り茗荷

カマスも京都の焼き魚の味なので、おいしいかったです。
海老の実はなくて、味噌を楽しんでいただくものという説明がありました。でもその味噌も少ししかないので、海老は飾りだと思った方がいいかも。


一.進肴
相州牛網焼き
南瓜、パプリカ、ズッキーニ バルサミコ酢 卸しぽん酢

これは網焼きだからなのか、ポワソンで食べた肉の味に似てました。
ポワソンのところでは、焼き肉と焼き鳥の中間のような味と書きましたが、ここは焼き肉7:焼き鳥3のような感じで牛肉のうまさもしっかりとありました。なので、ポワソンよりもおいしいと思います。
ちなみにポワソンでも最初に鴨肉が出ましたが、鴨肉も佳松の方がおいしいです。




一.蓋物/一.留鉢
蕪含ませ
帆立、菊菜 菊花餡、振り柚子
左下がカブ、奥がホタテ、中央が菊菜なので、右下の物が抜けてるような気が・・・湯葉だったのですが、京都っぽい湯葉で歯ごたえが少しあるやつです。この料理も確かおいしかったと思います。

蟹 蓬蓮草 とんぶり 生姜酢
京都の漬物って薄味でいい味がするのですが、これもそういったタイプの味で、京都の漬物の延長線上にある味です。
やっぱりこれもおいしくて、特にどうこう文句のつけようがないです。ちなみに京都の漬物は俵屋と柊家別館は普通だったのですが、山水と土産で買った漬物はうまかったです。


一.食事
松茸御飯
香の物
赤出し

松茸御飯の茶碗ですが、これはお代わりした物を撮ったので、最初の器はもうちょっと良かったです。ここでも係の方に「御飯どうですか?」と聞かれたのですが、他の旅館の炊き込み御飯と大して変わらないので適当に答えていたら、「魚沼産コシヒカリを使用している」と言われました。お造りと御飯のところだけどうなのか聞かれたけど、御飯も他のお客に評判が良いのかな。
炊き込み御飯だと米そのものの味は分からないと思うんですが・・自分が分からないだけなのかな??
だから魚沼産て言われた時は、「え、そうなんですか?!炊き込み御飯だからあまりよく分かりませんでした」と遠慮がちに答えました。香の物は普通、赤出しは僕が前から好きじゃないって言ってる濃い味噌汁。


一.デザート
柿 巨峰

左の物なんだったかな。
見た目だと、杏仁豆腐にブルーベリーソースで、黄色い方はプリン?あんまり覚えてないけど、これもおいしかったです。


平成19年9月
匠の宿 佳松 料理長 渡邊 昭

ここの夕食は全体的にかなり高いレベルでまとまっています。
京風懐石なんですが、京都のいい所だけ?盗んでるような感じです。最近あちこち泊まってるけど、かわせみに料理で対抗出来そうな旅館をやっと見つけました。
かわせみと比べると、メインや白飯など1品だけのおいしさならかわせみの方がおいしいのですが、それを抜けばかわせみよりもうまいのかも。かわせみに行った時は初めて泊まった3万以上の高級旅館、ここは何軒か行ったうえに泊まってますからね。
(かわせみに行ったのが結構前なので、さすがに印象に残ってる物以外は覚えていません^^;)
ただ、味の系統が違うので、単純には比較出来ません。
佳松の味に似ている所は、山水(京都のランチで食べたお店)やポワソン六三郎が似ています。
俵屋とはちょっと違いますね。汁物の味が違うので。
一番似ているのがポワソンだったので、もしかして道場さんの弟子なのかと思って誰かの所で修行したか聞いてみたら、昔京都で修行していたそうで関係ありませんでした。
現在は、個人経営の店をやってる方の息子さんとかが、あちこちから修行で佳松に来ているとか。
と言うわけで、ここの料理はかなりお勧めです。
なぜ90点以上の宿の本で食事が特に優れているが付いていないのか不思議でした。食事マークが付いてる茶寮宗園と比べると、白い御飯と味噌汁以外は佳松の方がうまいです。
ここに泊まれば佳松園の所で書いた上品な味って言うのがよく分かると思います。
僕が言う上品な味とは、京都の漬物のような感じの味付け、飲んでいる時でもかなりおいしいけど飲んだ後にもうまさが残る椀物、同じ物でも他では味わえない深い部分の味?がする料理などです。
汁は土瓶蒸しなのでよく分かりませんでした。
でも、ここの味付けなら他の月に行っても料理全体はおいしいはずです。
そうそう、写真に水滴の付いてる写真が多いですが、時間が経ってる物を持ってきたんじゃなくて、雑談したりでなかなか写真が撮れなかったからです。ひとり旅は良くされるんですか?から始まって、最終的に90点以上の宿に最近よく泊まってるというような話をしてから、なんか他の旅館と比べてどうなのかが気になるみたいだったんです。
上に書いたような細かい感想はさすがに言いませんでしたが、僕が好きなかわせみくらいおいしいとか、味が京都っぽいとかは言いました。


◆朝食 95点
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朝食も部屋食です。


朝食の魚は金目の味噌漬けかアジの干物を選べます。
アジはあまり好きじゃないので金目の味噌漬けにしましたが、ちょっとミスったかも。
風呂の所で味噌汁を2杯飲んでいて、味噌に抵抗が出来ていたので・・
金目の味噌漬けがおいしいか係の方に聞かれたんですが、そんなこともあって、金目は煮付けしか食べたことがないとか、冷房をつけて寝たので喉にしみるとか適当にごまかしました。たぶん味噌汁を2杯も飲まなければ、それなりにおいしかったと思います。
湯葉がありますが、いつも食べてる歯ごたえがない関東風の刺身湯葉でした。
その横の煮ものの味付けも良かったし、おかゆのしょっぱさとかここは本当にちょうどいい味付けになってるんですよね。デザートの桃のゼリーもおいしかったし。
じゃあ何で95点なのかっていうと、白い御飯が普通だったから。普通って言っても中の上なので、もう少しでうまい御飯になったけど。でも今のままならここよりおいしい御飯はたくさんあるかな。
もう少し経てば新米なので、新米だったらおいしかったのかも。

匠の宿 佳松【本編】

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